屋根塗装以外のリフォームの種類(カバー、葺き替え)と相場
屋根は常に雨風や紫外線の影響を受けているため、様々な劣化症状を引き起こします。しかし、屋根は外壁と比べると確認することが難しい箇所なため、気が付かないうちに傷んでしまっている場合もあります。
そのまま放置してしまうと、雨漏りや建物全体に深刻なダメージを及ぼす可能性があるため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。屋根のリフォームには様々な方法があり、劣化状況に合わせて適切なリフォーム方法を選ぶことが重要です。
このページでは、屋根のリフォームの種類やそれぞれの特徴について説明していきます。
目 次
屋根塗装以外のリフォーム方法
屋根のリフォームには、塗装以外に「カバー工法」と「葺き替え」という2種類の方法があります。
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しく屋根を被せるリフォーム方法で、重ね葺きとも呼ばれています。葺き替えは、既存の屋根を解体・撤去してから新しい屋根に葺き替えるリフォーム方法です。
屋根のリフォームでは、既存の屋根材の素材や劣化状況に配慮しながら、適切なリフォーム方法を選択することがとても大切です。次は、それぞれの特徴いついて説明していきます。
カバー工法の特徴
カバー工法とは、重ね葺きとも呼ばれ、既存の屋根の上に新しく屋根を被せるリフォーム方法です。カバー工法には、「直接下葺き材カバー工法」と「野地板増し張りカバー工法」の2種類の工法があります。
直接下葺き材カバー工法
直接下葺き材カバー工法とは、既存の屋根の上に直接防水シートを張り、その上から新しい屋根を重ねて施工を行う工事方法です。
この方法は、野地板(屋根材を支えるために張っている板)など、下地材の状態が良い場合に行うことができます。
野地板増し張りカバー工法
野地板増し張りカバー工法とは、既存の屋根の上に野地板を張り、その上から防水シートと新しい屋根を重ねる工事方法です。既存の屋根の状態が良くない場合には、こちらの工法で施工を行います。
カバー工法に適した屋根材は以下の通りです。
既存の屋根材 | スレート、トタン、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル |
---|---|
新しく重ねる屋根材 | ・ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、軽量瓦 |
ただし、既存の屋根材がカバー工法に適した屋根材であったとしても、カバー工法で施工ができない場合もあるので注意が必要です。瓦屋根や、経年劣化が酷く屋根の下地材が傷んでいる状態の屋根にはカバー工法で施工することはできません。
施工料金の相場
カバー工法に使用される屋根材は、主に3種類あります。素材それぞれの特徴や施工料金の相場は以下の通りです。
屋根材の種類 | 耐用年数 | 施工単価(㎡) | 徴特 |
---|---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 5,000円~10,000円/㎡ | 軽量で耐震性に優れ、金属素材の中でもサビにくく、耐候性が高い。カバー工法には最も適した屋根材。 |
アスファルトシングル | 15~20年 | 5,000円~8,500円/㎡ | シート状で柔軟性が高いため、加工がしやすく、複雑な形状の屋根にも施工がしやすい。耐久性は他の素材に比べやや低い。 |
軽量瓦 | 20~40年 | 6,000円~12,000円/㎡ | 軽量なため耐震性に優れ、耐久性に優れている。施工費用は他の素材に比べやや高い。 |
葺き替えの特徴
葺き替えとは、既存の屋根を解体・撤去してから新しい屋根に葺き替えるリフォーム方法です。既存の屋根材に使用されている素材や経年劣化などによって、カバー工法では対処できない場合にこちらの方法で施工を行います。
屋根材だけではなく、既存の野地板や防水シートなどの下地材も新しく取り替えるため、屋根をより軽量化し耐震性を向上させることも可能となります。
また、既存の屋根材の状況に影響を受けるカバー工法とは異なり、葺き替えは既存の屋根材を解体・撤去するため、既存の屋根材の状態に関係なく施工を行うことができます。
また、屋根材が陶器瓦の場合には、葺き替えとは別に「葺き直し」という工事方法があります。
葺き直しとは
屋根材を再施工する工事方法です。
陶器瓦の耐用年数はとても長く50年以上~半永久的とも言われています。しかし、地震や台風の影響を受ると、ズレが生じやすい素材でもあるため、陶器瓦を再利用し屋根の修復を行います。その際、瓦にヒビがあるものは、局所的に差し替えたり、部分補修を行います。
施工料金の相場
葺き替えに使用される屋根材は、主に4種類あります。素材それぞれの特徴や施工料金の相場は以下の通りです。
屋根材の種類 | 耐用年数 | 施工単価(㎡) | 徴特 |
---|---|---|---|
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 5,000円~10,000円/㎡ | 軽量で耐震性に優れ、金属素材の中でもサビにくく、耐候性が高い。カバー工法には最も適した屋根材。 |
アスファルトシングル | 15~20年 | 5,000円~8,500円/㎡ | シート状で柔軟性が高いため、加工がしやすく、複雑な形状の屋根にも施工がしやすい。耐久性は他の素材に比べやや低い。 |
軽量瓦 | 20~40年 | 6,000円~12,000円/㎡ | 軽量なため耐震性に優れ、耐久性に優れている。施工費用は他の素材に比べやや高い。 |
スレート | 15〜25年 | 4,500円~8,000円/㎡ | 日本瓦に比べ、軽量で耐震性に優れている。住宅の屋根材では最も使用されている屋根材。 |
塗装・カバー工法・葺き替えを比較
他の工法と比べたときの塗装のメリット・デメリット
・リフォーム費用を抑えることができる
他のリフォーム方法に比べ費用を安く抑えることができます。
・工期が短く済む
葺き替えに比べ、工期が短く済みます。工事期間は建物の規模にもよりますが、大体5日程かかります。
・防水性だけではなく、特殊な機能を持たせることができる
塗料は、様々な機能が付随した「機能性塗料」があります。選ぶ塗料によって断熱効果や遮熱効果を高めることができます。また、塗料によっては、防汚性が高いものやセルフクリーニング機能を持つ塗料もあります。
・劣化状況によっては施工できない場合がある
屋根材の種類や状態によっては、塗装では対応できない場合もあるので注意が必要です。
・定期的な塗り替えが必要
使用する塗料によって耐用年数は異なりますが、定期的な塗り替えが必要となります。
他の工法と比べたときのカバー工法のメリット・デメリット
・リフォーム費用を抑えることができる
既存の屋根材を残したまま施工するため、屋根材の撤去や廃材処分などの費用が必要ないので、葺き替えに比べリフォーム費用を安く抑えることができます。
・工事期間が短く済む
屋根材の解体や撤去をする必要が無く、塗装のように乾燥時間が必要ないため、リフォームの工事期間が他のリフォーム方法に比べ短く済みます。
・断熱性、防音性、防水性を高めることができる
屋根が二重になるため、断熱性や防音性、防水性を高めることができます。
・屋根が重くなる
屋根が二重になるため、その分荷重が増えます。屋根が重くなればなるほど、耐震性は低くなるので使用する屋根材は、金属屋根材など軽量な屋根材に限られます。
・劣化状況によっては施工できない場合がある
瓦屋根や、経年劣化が酷く屋根の下地材が傷んでいる状態の屋根にはカバー工法で施工することはできません。
他の工法と比べたときの葺き替えのメリット・デメリット
・下地材の劣化状況を確認し補修することができる
既存の屋根材を一度取り払うため、下地材の劣化状況を確認し補修を行うことが可能です。
・次回のメンテナンスまでの期間が長くなる
新築同様に屋根を一新することで、次回のメンテナンスまでの期間が長くなるというメリットがあります。
・耐震性を向上させることができる
既存の野地板や防水シートなどの下地材も新しく取り替えるため、屋根をより軽量化し耐震性を向上させることも可能です。
・リフォーム費用が高額
既存の屋根材を一度取り払うため、屋根材の撤去や廃材処分などの費用が必要となります。そのため、他のリフォーム方法に比べ費用が高額になってしまいます。
・工期が長くなる
大規模な工事になるため、他のリフォーム方法と比べ工期が2週間程と長くなってしまいます。
比較表
約30坪の建物の屋根を施工する場合を比較すると、それぞれ以下のような特徴があります。
塗装 | カバー工法 | 葺き替え | |
---|---|---|---|
費用 | 約30~100万円 | 約70~120万円 | 約100~250万円 |
耐久性 | 約10~15年 | 約15~30年 | 約15~50年 |
工期 | 5日前後 | 3日前後 | 14日間前後 |
断熱、防音効果 | 選ぶ塗料によって断熱効果や遮熱効果を高めることができる。 | 屋根が二重になるため、断熱性や防音性、防水性を高めることができる。 | 使用する材料によって断熱、防音効果を高めることができる。 |
耐震性 | 劣化症状の補修を行うことで建物の耐久性を維持することは可能。 | 屋根の荷重が増えることで耐久性が低下する可能性ある。 | 下地の補強や軽量な屋根材を採用することで耐震性を高めることが可能。 |
カバー工法と葺き替えのタイミングは屋根材別の耐用年数で決める
屋根材の種類 | 耐用年数 | メンテナンス時期 |
---|---|---|
スレート(化粧スレート・コロニアル・カラーベスト) | 15年~25年 | 7〜20年 |
アスファルトシングル | 20~30年 | 10年前後 |
トタン | 10~20年 | 5~10年 |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 10~20年 |
セメント瓦 | 30~40年 | 10~20年 |
粘土瓦(日本瓦) | 50~100年 | 20〜30年 |
防水シート(ルーフィング) | 20~30年 | 20~30年 |
野地板 | 20~30年 | 20~30年 |
スレート屋根(化粧スレート・コロニアル・カラーベスト)
スレート屋根(化粧スレート・コロニアル・カラーベスト)の耐用年数は15年~25年です。塗装によって防水性能を保っているため、藻やコケが発生している場合や、築7~10年経ったスレート屋根には、塗装を行いましょう。
また、軒板金や漆喰などの耐用年数は15年から20年です。屋根の頂上部分にある軒板金は、最も強風の影響を受けやすいため台風などの強風に煽られるとめくれ上がっててしまうことがあるので注意が必要です。スレートがズレたり外れてしまっている場合には、差し替えや交換を行います。
築10年ほど経過すると補修が必要になる場合も多いため、定期的に約10年に一度を目安に点検やメンテナンスを行うことをオススメします。
スレート屋根の具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 | |
---|---|---|
部分補修 | 瓦のリフォーム | 費用:6,000~9,000円/㎡ |
漆喰のみの補修 | 費用:500円~1,500/m | |
部分的な交換 | 費用:500円~1,500/m | |
塗装 | 費用:3,000~10,000円/㎡程度 | |
カバー工法 | 費用:5,000~15,000円/㎡ | |
葺き替え | 費用:9,000~20,000円/㎡ |
アスファルトシングル
アスファルトシングルの耐用年数は20~30年です。しかし、建物が建っている立地や気候によっては、10年~20年ほどで葺き替えやカバー工法のリフォームが必要となる場合もあります。
アスファルトシングルの一部にめくれや剥がれが生じている場合には、専用の接着剤やタッカーを使い補修を行うことができます。めくれや剥がれをそのまま放置してしまうと雨漏りにつながりやすくなるので、気付いたら早めに補修を行いましょう。
下地材に問題のない場合は、カバー工法でのリフォームが可能です。アスファルトシングルは軽量な屋根材なので、既存のアスファルトシングルの上から、新しいアスファルトシングル材を重ねることができます。
ただし、アスファルトシングルが手で曲げると簡単に割れてしまうほど劣化していたり、下地材まで劣化が進行している場合には、葺き替えが必要となります。劣化状況により葺き替えの予算は大きく変わります。耐用年数である20~30年を目安に、カバー工法や葺き替えを検討しましょう。
天然石粒付きの商品であれば塗装のメンテナンスは当分必要ありませんが、アスファルトシングルは、経年劣化によってホコリ等が付着すると水分を溜め込んでしまうため、コケや藻などが発生しやすくなります。
また、接着剤が劣化したり、圧着作業が不十分だと、風が吹くたびにパタパタとあおられたり、最悪の場合は屋根材が破損したりしてしまうことがあるため、10年に1度を目安に清掃や点検を行ってもらうことをオススメします。
アスファルトシングルの具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 |
---|---|
補修 | 費用:約1万円~3万円 |
塗装 | 費用:2,000~3,000円/㎡程度 |
カバー工法 | 費用:8,000~15,000円/㎡程度 |
葺き替え | 費用:12,000〜20,000円/㎡程度 |
トタン
トタンの耐用年数は10~20年です。トタンは、塗装が剥がれてしまうとすぐにサビが広がってしまうため、5年~8年を目安に屋根塗装が必要となります。
昔ながらのトタン屋根(瓦棒葺き)は、芯木と呼ばれる角材に亜鉛メッキ鋼板を巻きつけ、釘で固定します。サビやすくサビが進行し穴が開くと、そこから雨漏りが発生してしまう可能性があります。
また、亜鉛メッキ鋼板の下にある芯木は木材のため、雨水を吸収しやすく吸水を続けてしまうと、腐食し屋根材や野地板を支えることが出来なくなってしまいます。そうすると、台風などの強風によって剥がれたり捲れてしまう危険性があります。
そのため、下地が腐食しやすい瓦棒葺きの屋根の場合には、葺き替えでリフォームを行うのが一般的です。
近年では、芯木を使用せず、板金を折り曲げて馳 (はぜ)を作る立平葺きが主流となっていますが、トタンは耐用年数も短いため、10年~20年を目安にカバー工法や葺き替えによるリフォームを検討しましょう。
また、定期的な塗装を行っていない場合は、その分葺き替えが必要となるまでの期間も早くなるので注意が必要です。
トタンの具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 | |
---|---|---|
部分補修 | 部分的な張り替え | 費用:4,000円~10,000/㎡ |
軒板金の交換 | 費用:5,000円~12,000円/㎡ (※単体工事の場合) |
|
軒先(ケラバ)板金 | 費用:1,500円〜1,700円/㎡ | |
塗装 | 費用:2,000~5,000円/㎡程度 | |
カバー工法 | 費用:5,000〜8,000円/㎡ | |
葺き替え | 費用:6,500〜8,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板の耐用年数は20~30年です。金属素材の中では耐久性の高い屋根材ではありますが、全くメンテナンスが必要ないというわけではありません。また、海沿いや工場やグランドなど粉塵が多い地域など、建物の立地や気候によっては劣化の進行は早く進んでしまう可能性があります。
耐久性が高いと言っても経年劣化を避けることはできませんので、定期的な塗装が必要となります。既存の塗料にもよって耐久性は変わりますが、10年~20年に1度は塗装のリフォームを行いましょう。
稀に、落下物などによる傷や凹みから腐食しサビが発生してしまう場合があります。その場合には部分交換で補修を行います。耐用年数である20~30年を目安にカバー工法や葺き替えを検討しましょう。
ガルバリウム鋼板は定期的にメンテナンスを行うことで、耐久性を高めることができます。また、継ぎ目に使用されているシーリング(コーキング)も劣化するため、10年に一度を目安に点検やメンテナンスを行うことをオススメします。
ガルバリウム鋼板の具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 | |
---|---|---|
部分補修 | 部分的な張り替え | 費用:6,000~9,000円/㎡ |
シーリング(コーキング) | 費用:500円~1,500/m | |
塗装 | 費用:3,000~10,000円/㎡程度 | |
カバー工法 | 費用:5,000~15,000円/㎡ | |
葺き替え | 費用:9,000~20,000円/㎡ |
セメント瓦
セメント瓦の耐用年数は30~40年です。セメント瓦は、素材そのものには耐水性がないため塗装をして防水性能を保つ必要があります。既存の塗料にもよって耐久性は変わりますが、10年~20年に1度は塗装のリフォームを行いましょう。
また、台風などの強風により屋根の頂上部にある棟瓦が外れてしまったり、屋根の漆喰部分がはがれて内部の土が見えてきてしまうなどの不具合が発生する可能性があります。その場合は、棟瓦の修理や取り直し(積み替え・積み直し)、漆喰の補修を行います。
瓦に割れやヒビなどの症状が見られる場合には、部分的な補修や交換を行います。耐用年数である30~40年を目安に葺き替えを行いましょう。
セメント瓦の具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 | |
---|---|---|
部分補修 | 棟瓦のリフォーム | 費用:8,500~19,000円/m |
漆喰のみの補修 | 費用:2,200~7,000円/m | |
部分的な交換 | 費用:5,000~20,000円/枚 | |
塗装 | 費用:1,800~3,500円/㎡程度 | |
葺き替え | 費用:5,000~15,000円/㎡ |
粘土瓦(日本瓦)
粘土瓦(日本瓦)の耐用年数は50~100年です。粘土瓦は、釉薬やいぶした煙で表面がコーティングされているため、塗装を行う必要はありません。
しかし、屋根の頂上部にある棟瓦を固定している漆喰の耐用年数が15年から20年程度です。漆喰の劣化や、地震や台風などの強風により瓦のずれや漆喰の剥がれなどが生じてしまうと雨漏りの原因にもつながってしまいます。
そのため、「漆喰の詰め直し」や瓦を一旦全て取り外して整える「積み直し」などのメンテナンスが必要となります。飛来物などによって発生した瓦の割れやひび割れには、一部の瓦を交換を行います。
防水シートや野地板などの下地材の耐用年数は20~30年です。そのため、下地材が劣化している場合には防水シートや野地板だけを補修し既存の瓦を積み直す「葺き直し」やすべての屋根材を新品に替える「葺き替え」などのリフォームを行います。
粘土瓦(日本瓦)の具体的なメンテナンス方法は以下の通りです。
メンテナンスの目安 | 工事内容・施工金額の目安 | |
---|---|---|
部分補修 | 漆喰詰め直し | 費用:4,000~10,000円/m |
積み直し | 費用:10,000~16,000円/m | |
部分的な交換 | 費用:8,000~20,000円/枚 | |
葺き直し | 費用:5,000~18,000円/㎡ | |
葺き替え | 費用:6,000~25,000円/㎡ |
雨漏りはカバー工法と葺き替えで止まる
屋根材が劣化し雨漏りが発生している場合には、カバー工法や葺き替えは雨漏りを改善する有効なリフォーム方法です。
葺き替え工事では、既存の屋根材を全て撤去してから新たな屋根材を設置するため、下地材の劣化状況を確認し補修を行うことが可能です。また、カバー工法では、既存の屋根に防水シートと新しい屋根材を被せることで雨漏りを改善することができます。
しかし、カバー工法の施工内容に不備があった場合には雨漏りが再発してしまい、下地が腐食してしまう可能があります。その場合、屋根が二重になっていることで雨漏りの特定がより困難になってしまうので注意が必要です。
カバー工法を行ってから雨漏りが再度発生した場合には、新たに葺き替え工事を行う必要があります。
アスベストを含んだ屋根材のリフォーム
アスベストとは、「石綿」とも呼ばれる発がん性物質です。アスベストは綿のような外見をしていて、繊維は目に見えないほど細かいという特徴があります。
天然石のため、耐火性や断熱性、耐久性の高さからスレートのつなぎとして練り込まれ、「石綿スレート」という名称で広く屋根材として使用されていました。
しかし、繊維が丈夫で変形しにくいという特性があり、吸引してしまうと肺の組織に刺さったままとなり、アスベストの繊維が長期間潜伏することで、肺がんや中皮腫、アスベスト肺を発症してしまう恐れがあります。
その危険性から、2004年にはアスベストを1%以上含む製品の出荷が原則禁止となりましたが、2004年以前に建築し現存している多くのスレート屋根はアスベストが含まれている可能性があります。
アスベストを含んだ屋根のリフォームでは、葺き替えかカバー工法のどちらで施工を行うか選択する必要がありますが、どちらにもメリット・デメリットがあるので注意が必要です。
葺き替えでリフォームを行う場合は、有害性のある屋根材を全て撤去し根本的な解決ができるというメリットがありますが、撤去のための高額な費用が必要となります。
アスベストは破損や劣化がなければ飛散しにくいので、無理に新しい屋根材に変えずに現状維持でカバー工法でリフォームを行うという方法もあります。カバー工法は、新しい屋根材を覆いかぶせるだけなので、葺き替えに比べ費用を抑えることができるというメリットがあります。
しかし、有害性のある屋根材が残ったままとなってしまうため、今後のメンテナンスを行う際に大きな影響がでてしまう可能性もあるので注意が必要です。
まとめ
屋根のリフォームには、大きく分けて「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3種類のリフォーム方法があります。それぞれに、メリットやデメリットがあり予算や劣化状況に合わせてリフォーム方法を選択することがとても大切です。
建物の状態によっては、カバー工法で施工を行うことが難しい場合もあります。劣化の進行を放置せず早期にメンテナンスを行うことで、屋根材本来の耐用年数を維持することができますので、10年に一度を目安に定期的な点検を行うようにしましょう。
建物の劣化状況に適したメンテナンスが重要ですので、屋根のリフォーム方法でお困りの際には、ぜひ実績豊富なHOME TOKYO / CHIBAまでご相談ください!