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外壁・屋根塗装の塗料グレード別、耐用年数と単価

外壁・屋根塗装の塗料を選ぶときに、まず重視することは耐用年数や金額かと思います。これは塗料のグレードによって決まるので、しっかりとそれぞれの特徴について知っておくことが大切です。

また、業者の中にはお客様を騙して高額な見積もりを提案してくる悪徳業者もいるので、すぐに契約をせずに数種類の見積もり、塗料を検討して後悔のない塗料選びをしましょう。

このページでは、満足のいく塗料選びができるように、塗料のグレードについて紹介します。

塗料によって異なる様々な違い

様々な塗料がある中で、どれが良いのか迷う方も非常に多くいらっしゃいます。メーカーのサイトを見ても専門用語が多くてよく分からない方もいらっしゃることでしょう。

また、メディアで「オススメの塗料はコレ」と紹介されていても、その塗料が本当にあなたのお住まいに合っているとも限りません。

「価格」を選ぶ基準のひとつにしてしまう方や「塗り替えができれば安くてもいいや」とお考えになる方もいらっしゃるはずです。

しかしちょっと待ってください!塗料にはそれぞれ耐用年数があるのです。

安いからと言って耐用年数が短い塗料を選ぶと、結果的には「お得」どころか「損」になってしまう可能性もあります。

高性能な塗料は価格が高い分、快適に過ごすための機能が備わっています。性能や機能のことも考慮した塗料選びが、後悔しない塗装工事のポイントなのです。

外壁・屋根塗装で使う塗料のグレードとは

塗料のグレードとは

塗料のグレードは耐用年数をの違いを表すもので、耐用年数が長いほど単価も高くなります。種類は7種類で「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「ラジカル制御型」「フッ素」「光触媒」「無機」に分けられます。

気を付けていただきたいのが、シリコンやフッ素というのはグレードであって塗料名ではないという点です。

シリコンの中でも、各メーカーから何種類ものシリコン塗料が販売されており、また塗料によっても特徴が異なります。

見積書で「シリコン塗料」としか記載されていない場合は、メーカー名と塗料名を確認するようにしましょう。

耐用年数とは

耐用年数とは、各塗料メーカーが「促進耐候性試験」と呼ばれる試験を行い、その結果をもとに算出された年数のことです。この試験では、太陽光よりも強い光を当てて、早く劣化状態を確認することができます。

ただし、この試験では雨風や塩害などを想定した試験は行われていません。そのため、実際に外壁に塗装をした場合、太陽光以外の様々な影響を受けて劣化し、耐用年数よりも早く塗り替えが必要になることがあります。

塗料のグレード別、耐用年数と単価

グレード 耐久年数 単価
アクリル 5~7年 1,400~1,600円
【アクリルの特徴】
アクリル塗料は最も安価な塗料ですが、耐用年数が短く汚れやすいため、外壁塗装では現在ほとんど使われていません。ただ、軒天などには密着性の高い日本ペイントのケンエースという塗料がよく使われます。その他にアクリル塗料を使用する例としては、数年後に解体する予定がある場合や、建売の新築時に費用を安く済ませるために使用する場合などがあります。

【アクリルの代表塗料】
日本ペイント:ケンエース、オーデグロス
関西ペイント:アレスアクアグロス
エスケー化研:水性コンポアクリル、プリーズコート
ウレタン 8~10年 1,700~2,200円
【ウレタンの特徴】
ウレタン塗料はアクリル塗料と同様、外壁塗装では現在あまり使われることがないですが、細部や付帯部などに用いられることはあります。注意点として、塗装で使用されるウレタン塗料と防水工事で行われるウレタン防水は別なので、混同しないように気を付けましょう。

【ウレタンの代表塗料】
日本ペイント:水性ファインウレタンU100
関西ペイント:アレスアクアレタン、セラMレタン
エスケー化研:クリーンマイルドウレタン
シリコン 10~15年 2,300~3,000円
【シリコンの特徴】
シリコン塗料は、現在最も多く使われている塗料で、耐用年数と価格のバランスが良いのが人気の理由です。塗料の種類やカラーバリエーションも豊富で、遮熱機能や防カビや防藻など様々な機能を持った塗料も販売されています。

【シリコンの代表塗料】
日本ペイント:ファインシリコンフレッシュ、ハナコレクションシリーズ、サーモアイSi
関西ペイント:セラMシリコンⅢ
エスケー化研:クリーンマイルドシリコン、クールタイトSi、ヤネフレッシュSi
ラジカル制御型 12~15年 2,300~3,000円
【ラジカル制御型の特徴】
ラジカル制御型塗料は、耐用年数はシリコンとフッ素の間でありながら、単価がシリコンとあまり変わらないため、現在注目されている塗料になります。塗料が販売されてからまだ10年経っていないため実績がないですが、チョーキング現象が起こりにくく、さらに汚れがつきにくいなどの特徴があります。

【ラジカル制御型の代表塗料】
日本ペイント:パーフェクトトップ
関西ペイント:アレスダイナミックTOP
エスケー化研:エスケープレミアムシリコン
フッ素 15~20年 3,300~4,800円
【フッ素の特徴】
フッ素の一番の特徴は、耐用年数が長い点です。そのため、メンテナンスに手間のかかるビルや大型建造物などに使用されることが多く、スカイツリーや武道館などにも採用されました。戸建てには価格が高いのであまり使われていませんが、外壁をシリコンで塗装し、面積が小さく劣化が早い屋根にのみフッ素を使用する場合もあります。

【フッ素の代表塗料】
日本ペイント:ファイン4Fセラミック、サーモアイ4F
関西ペイント:セラMフッソ
エスケー化研:クリーンマイルドフッソ、クールタイトF
AGCコーテッック:ルミステージ
光触媒 15~20年 4,200~5,000円
【光触媒の特徴】
光触媒はセルフクリーニング機能や空気清浄効果がある塗料で、太陽光で汚れを分解して雨水で汚れを落とすことができます。そのため、太陽光が当たりにくい環境では、光触媒の効果を発揮することができないので注意が必要です。また、訪問販売で光触媒を勧める業者いますが、実績のない塗料を相場よりも高い価格で提案する悪徳業者もいるので気を付けましょう。

【光触媒の代表塗料】
TOTO株式会社:ハイドロテクトカラーコート(現在は製造停止)
ピアレックス・テクノロジーズ:ピュアコートANプラス
無機 20~25年 4,500~5,500円
【無機の特徴】
無機塗料は、最も耐用年数が長いためメンテナンスに手間はかかりませんが、その分価格も高いので使用する方は少ないです。セルフクリーニング機能やカビ、コケが発生しにくいなどの特徴もあるため注目されつつありますが、ひび割れしやすいというデメリットもあります。

【無機の代表塗料】
日本ペイント:ダイヤモンドコート、アプラウドシェラスターNEO
関西ペイント:ムキフッソ
エスケー化研:セラミタイトペイント、スーパーセラタイトF
アステックペイント:無機ハイブリッドコートJY、スーパーシャネツサーモF

塗料によって違う様々な高機能の種類

塗料の役割はお住まいを美しく着飾ることだけではありません。塗料は太陽光の紫外線、雨風、台風などの災害からお住まいを守ってくれます。快適に暮らすための付加価値的な性能を持っている塗料も多いので、これから塗り替えを検討している方は、各塗料の性能を是非ともチェックしてください。

断熱性能

断熱塗料は熱を伝えにくい特性を持っています。室外からの熱を室内になるべく伝わらないようにするため、室温の上昇を抑えられるのです。

夏の暑さ対策としてはもちろんですが、エアコンの稼働率を下げることにも繋がるので光熱費の節約に繋がります。

低汚染性能

常に雨風に晒されるお住まいの外壁や屋根には、日々汚れが付着していきます。単に色がくすむだけなら良いのですが、水分によってカビや藻が繁殖してしまうことも少なくありません。

低汚染塗料なら、汚れを分解し流れ落としてくれるため、お住まいをいつまでも綺麗に保てます。

長寿命性能

通常の塗料は、酸化によって劣化し塗膜が剥がれたり、ひび割れが起きたりしてしまいます。

「長寿命」を謳う塗料の多くは、塗膜の樹脂成分を細かくすることで、強度を高くしています。その結果、長寿命に繋がるのです。

弾性性能

寒暖差による伸び縮みにより、外壁に亀裂が発生してしまうことがあります。

弾性機能は通常の塗膜に比べて柔らかく、クラック追随してくれるため、雨漏りの原因にもなるクラックの露出を防ぐ働きがあります。
※クラック追随・・・傷を塞ぐこと

こんな塗料を勧める業者には注意!

耐用年数30年以上の塗料を提案された

塗料の耐用年数は長くても20~25年ほどなので、30年以上もつと言われた場合は注意が必要です。

さらに、耐用年数30年以上のオリジナル塗料などと提案してくる業者は契約しないようにしましょう。オリジナル塗料は実績や詳しい情報が不明なので、大手メーカーの塗料を使用するのが安心です。

塗料の単価が高額

塗料の種類にもよりますが、3回塗りの㎡当たりの単価が8,000円以上の場合は注意しましょう。悪徳業者の中には、10,000円以上の単価で提示する業者もいます。

また、単価の記載の仕方で気を付けなければならないのが、本来3回塗りで2,500円のところを1回塗りで2,500円と記載してあり、結果的に相場の倍以上の値段になってしまうことがある点です。気付かずに契約してしてしまうことがないよう、しっかりと詳細を確認しましょう。

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