ラジカル制御塗料の特徴と単価
ラジカル制御塗料は、今後シリコン塗料に変わって主流になるのではと言われており、現在注目されている塗料です。ただ、発売されてからあまり年数が経っていないため、メリットやデメリットを知らない方もいらっしゃると思います。
このページでは、シリコンやフッ素塗料との違いや特徴について紹介します。
目 次
ラジカル制御塗料はどんな塗料なのか?
ラジカル制御塗料とは、劣化の原因となる「ラジカル」の発生を可能な限り抑えた塗料で、2つの成分が配合されています。
1つ目は高耐候酸化チタンという成分で、紫外線や雨風に触れると発生してしまうラジカルを制御する効果があり、2つ目は光安定剤という発生したラジカルの動きを抑えてくれる成分になります。
【メリット1】シリコン塗料を上回る耐用年数
ラジカル制御塗料は、シリコン塗料と価格がほぼ変わりませんが、耐用年数が12~15年とシリコン塗料より長いのが特徴です。
イメージとしては、シリコン塗料とフッ素塗料の間くらいで、コストパフォーマンスもよく、今後主流となっていく可能性が高いです。
【メリット2】チョーキング現象が発生しにくい
ラジカル制御塗料は劣化を抑える効果があり、特にチョーキング現象が発生しにくいというメリットがあります。そのため、塗料の機能もより長く維持することができます。
【メリット3】防汚性、防藻・カビに優れている
親水性が高いため汚れがつきにくい性質があり、特に艶ありはより効果を感じることができます。さらに、防藻・カビにも優れているので、風通しの悪い場所でも綺麗な状態を保つことが可能です。
【メリット4】作業性が高く、下地を選ばない
ラジカル制御塗料はほとんどが水性1液型なので、使用する際も手間がかからず塗ることができます。また、下地を選ばないのでサイディングやモルタルはもちろん、アルミや銅板などにも塗装が可能です。
【デメリット1】実績が少ない
ラジカル制御塗料は、発売されてから10年も経っていないため、実績も少なく知名度も低いのが現状です。メーカー発表の耐用年数や機能性はとても優れていますが、実際に効果が発揮されるのかなど、正確にはまだ判断できないのが懸念される点です。
メーカーから発表された耐久性や機能は、あくまでも試験の結果なので、実際に使ってみると全然違う…ということも過去にありました。そのため、弊社ではお客様からの要望がない限り使いません。
【デメリット2】濃い色では効果が発揮できない
ラジカルの発生を抑える酸化チタンは白色顔料のため、濃い色では塗料の効果が発揮されません。ただ、濃い色はもともとラジカルが発生しないので、耐候性に影響することはありません。
ラジカル制御塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?
弊社では、ラジカル制御塗料はあまり使いませんが、平米あたりの単価は2,300~3,000円くらいです。
弊社で使う塗料の内ラジカル制御塗料の割合
弊社では、塗料グレード別の使用割合は、アクリル0%、ウレタン0%、シリコン10%、ラジカル制御0%、フッ素80%、光触媒0%、無機塗料10%となっています。発売してまだ数年のため、弊社では使用しません。
代表的なラジカル制御塗料
パーフェクトトップ:日本ペイント
アレスダイナミックTOP:関西ペイント
エスケープレミアムシリコン:エスケー化研
ラジカル制御塗料に関するよくある質問
1.ラジカル制御塗料は、汚れやすいと聞いたのですが本当でしょうか?
初期に出たラジカル制御塗料を使った方から、「直ぐに黒ずんできた…」という話も聞きましたが、最近の塗料は性能も上がってきているようです。
2.本当のところラジカル制御塗料のことをどう思いますか?
周りの職人仲間からも、良い噂・悪い噂の両方を聞きます。メーカーも無機タイプのラジカル塗料を開発したり、力を入れているのは間違いないです。
そのため、今後主流になる可能性は高いです。ただ、実際の環境で10年以上だったデータを見ない限りは弊社では使いません。高耐久を希望する場合は、実績もあるフッ素をオススメしています。
まとめ
ラジカル塗料は今後注目される塗料で、劣化を抑えることができ、チョーキング現象が発生しにくいのが特徴です。
耐用年数は12~15年と長いですが、価格はシリコン塗料と同程度のものなので、人気があります。
ただし、実績が少なく、メーカー発表の耐久性や機能が事実ではない可能性があるので、弊社ではお客様の希望がない限り使いません。