外壁塗装の工程と作業内容
外壁塗装工事において、業者の作業内容や工事期間等の詳細を知っている方はそういないでしょう。「ペンキを塗るだけ?」と考えている方もいるのでは…。塗装の工程は実は様々な作業がたくさんあります。
一般的に外壁塗装の工期は建物の大きさにもよりますが大体10~14日前後と言われています。屋根塗装まで行うとさらに3、4日かかるでしょう。大事なマイホームを守る外壁塗装工事、いったいどのような作業が行われているのか、このページで説明していきます。
この記事のまとめ
外壁塗装工事は様々な工程があり、それを予定通りに進めて行くと数日や一週間程度で終わることはありません。従って「当社は技術があるので工事期間が短く出来ます!」とか「いつまでもネットが掛かっていると不快でしょうから早めに何とかします」といったことを言う業者は、大事な作業を省いたり、手を抜いた工事をしている可能性があるので注意しましょう。
工期というのはあくまでも目安で、使う塗料の種類によっても変わります。外壁塗装をうまく進めるためには、業者、あるいは職人さんと密に連絡をとり、提示された工程表通りに作業が進んでいるか、適切な時間を費やしているかをしっかりと確認することをおすすめします。
外壁塗装は今も昔も職人技であり、その技術の値段は質で決めるものです。値段を安く抑えようとすると業者側としては、どうにも出来ない材料費ではなく技術料で調整します。すると手抜きや適当な作業が行われる原因につながります。後々のトラブルを避けるためにも、適正な価格と工期で作業をしてもらうようにしましょう。
目 次
外壁塗装の流れと工程ごとの作業内容
現場調査:初日
施主様の建物を徹底的に調査します。外壁の材質、傷み具合、どのような塗料が適しているかなどを見極め、工事全体の骨格を作ります。また、この段階で近隣への挨拶や作業準備もしっかりと行っておくことが必要です。
足場設置:2日目
実際の工事が始まる1日目は、まず足場を組みます。足場は現場において無くてはならないものです。塗装職人さんは常にこの足場の上を移動しながら作業をするので、設置や組み立て方が不十分だと思わぬ事故を誘発してしまう危険があります。
塗装が始まる前の工程ですが、実はここがしっかりしていないと始まらない大事な作業なのです。
高圧洗浄:3日目
塗装を始める前に外壁に付着している汚れキレイに落とす必要があります。この工程では高圧洗浄機を使います。塗装面の汚れや、劣化してしまった古い塗料、苔、カビなどを強力な圧力で洗浄します。
この作業がしっかり行われないと塗料がうまく塗れなかったり、施工後の耐久性において劣化が早まる原因になるのです。
養生・下地処理:4日目
養生(ようじょう)作業は塗装する部分以外で、塗料が飛散してはいけない場所をビニールで覆う作業です。塗装しない壁面の他にも駐車場の愛車や自転車、近隣のクルマにも距離などに応じて飛散防止ビニールをかける必要があることもあります。
他にも下地処理という作業があります。外壁のクラック(ひび割れ)やシーリング切れ(劣化により隙間が出来てしまった状態)を起こしている箇所を補修します。この作業も高圧洗浄同様に塗装前の大事な工程で、これを怠るとやはり塗膜の劣化を早める原因になってしまいます。
外壁塗装(下塗り):5日目
準備の工程が終わると実際の塗装作業に入ります。外壁塗装は一回塗って終わりという訳ではなく、実は塗料の種類にもよりますが同じ場所を3回塗る必要があります。商品によっては4回塗るケースもあります。
その中で、最初の塗装を「下塗り」(旧膜適正)といいます。塗膜のベースになる大事な工程です。この次の塗装工程で塗料が外壁にしっかりのるように下塗り専用の塗料を丁寧に塗ります。使用する塗料は残った塗膜や下地の状況によって変わります。
また、下塗りは仕上がりに選んだ色と違う色を使う場合があります。これは上塗りだけの塗装では下地が透けてしまう場合があるためです。仕上げの上塗りの色がキレイに出るように行う場合がありますが、疑問に感じたら業者に確認してください。
外壁塗装(中塗り):6日目
中塗りとは下塗りした塗装面に対し、最終塗装(上塗り)の前に更に塗料ののりが良くなるように行う作業です。ここでは仕上げに選んだ色と同じ色の塗料を塗っていきます。
塗料には、下塗り専用と上塗り専用があり、中塗りは下塗りとは違うので上塗り専用塗料を使います。すなわち上塗りと同じ塗料になります。塗料はムラなく均等に塗る必要があるため重ね塗りが基本です。中塗りを省くと上塗りの際、仕上げに必ずムラが出来てしまいます。
場合によっては中塗りと上塗りで違う色を使うこともあります。そうすることで作業工程の進行具合が把握できる上、塗装業者のミスを防止する効果もあります。
外壁塗装(上塗り):7日目
ここでは仕上げに選んだ外壁の色を塗装します。上塗りは中塗りの塗料がある程度乾いてから塗装します。完全に乾かす必要はありませんが、塗装面の状態や工期を見極め適切なタイミングで行っていくことです。
選んだ塗料によって上塗りをするタイミングは様々です。気温や湿度によっても変わってきます。この辺はプロの判断が問われるところです。
仕上げ(付帯部分塗装):8日目
外壁の塗装が終わっても雨樋や雨戸、戸袋や破風といった細かな部分の塗装が残っています。外壁と同じ色に仕上げるのか、別の色にするのか、また異なる種類の塗料を使うこともあります。最後まできめ細かい技術と作業が求められます。
最終確認:9日目
施主様と一緒に塗装した各箇所のチェックを行います。施工指示書通りに工事が行われたか、作業残しがないか、仕上がりはどうか…、などを確認し修正箇所があれば手直しを行います。
完工(引き渡し):10日目
最終確認が済んだら塗装工程は終わりです。最後に足場の撤去、現場の清掃作業を行います。ここまで終わったら完工となります。
予定より工期が早まる場合、遅れる場合の要因
工期が早まる場合
外壁塗装工事はほとんどの場合10日前後の工期になります。これは予め工程通りにスケジュールが組まれ管理されているので、順調に工事が進んだとしてもこの日数を要します。従って工期が早まることは考えにくいです。
各工程を丁寧にやると最低1日はかかりますので、もし工事が早く終わったという事になった場合は何かの工程を省いたか、塗装の乾燥を短くして工期を短くしています。きちんと乾燥しないと後々塗装の劣化が早まる原因になるでしょう。
工期が遅れる場合
外壁塗装工事では雨が降っている日、湿度が基準以上に高い日など外壁が濡れている状態の日は工事を行いません。また、雨などの原因で乾燥が進まない場合も同じです。
こういった天候不良による要因で作業が進まず工期が遅れることはあります。いかに優良な業者でも天気まではどうしようもないですから…。